「専門領域とは思考の基準点であるべきで、それ以外は判らんという種類のものでありたくない」ということについて
いつも読ませていただいているブログの感想なんですが、まさにその通りだと思えるものがあったのでご紹介。
よく「博学」とか「雑学王」といった言い方をします。ややもすれば少々揶揄された言い方に取られがちですが、私はそれがある種プロフェッショナルの資質であると考えています。もう数十年も前のことですが、環境分析の仕事をしている時期がありました。その中で、24時間365日稼働している自動分析機の管理を行うチームにいたのですが、この分析機を納めた施設が某自治体内に十数カ所あり、そこを通常ひとりで巡回して作業を行っていました。この仕事内容が極めて多岐にわたっており、化学分析の知識はもちろん、電気・電子・機械・気象といった学問的なことだけではなく、操舵・潜水・測量などおおよそ素人が手を出せない分野にまで及んでいました。また、大規模な分析業務ですから、機器に使う試薬類の量もかなりのもので(週あたり数十リットル単位)、調整装置まで自ら作製(手作りですがシーケンサーまで備え自動化された本格的なもの)していました。まさに特殊部隊と呼べる業務でしたが、ここで役だったのは「豊富な雑学量?」でした。分析業務ですから、さすがに化学に関しては本格的に勉強しましたし、潜水士など資格の必要なものは取得しましたが、それ以外はまさに知識の積み重ねが役立った感があります。べつだん努力をしたわけではありませんが、どのような分野でも、一見無関係と思える知識の絡み合いが必要であり、またそういった無駄に思える知識をたくさん備えていることがプロフェッショナルであると私は思います。専門家は専門家であり、特定の分野を深く掘り下げて探求する方々です。一方プロフェッショナルは、知識と知恵を現場で具現化し実践しなければなりません。そのためには、多岐にわたる分野の豊富な知識量が必要となります。
もうひとつ、私がプロフェッショナルの資質として考えていたのは、知識が豊富であることは必要ですが、疑問に思ったことは「勘」にたよって押し切らないこと。これも知識が豊富であればあるほど頃合いがわかってくることではありますが、危ない・やばいと感じたことは手を出さないことが重要です。命に関わるとかそんな大層なことではありませんが、安易な判断は必ず後で何倍もの労力を要する補填が必要になります。
ちょっと話が逸れてきましたが、要するに、プロフェッショナルの資質とは、特定の分野に特化した知識だけではなく幅広い知識の積み重ねと、その知識を活かす時・留まるときの見極めを確実に行うことであると考えます。
私が常々考えていたプロフェッショナルとはこういうことであったと再認識できました。
専門領域とは思考の基準点であるべきで、それ以外は判らんという種類のものでありたくない